桃色小説とは、戦後から1950年代にかけて世に出た、SMなど性に関するテーマを取り扱った文学のこと。様々な形で国民を抑圧した戦争から解放された世相のなか、「奇譚クラブ」「裏窓」などの雑誌を舞台に、この分野の文学が一気に花開いた。これを支えたのは、多くは無名の作家たちだったが、「花と蛇」の団鬼六、「家畜人ヤプー」の沼正三など、独自の高みに至ったものもあった。
倒錯のエロスと耽美の世界・・・なのだけど、これが時代の違いというものなのか。現代の私たちが読むと、なんだかほのぼのした感じがして、ちょっと笑えてしまうユーモア小説(?) 無料サンプルなので、気軽にお楽しみください。
告白 女性肥満体の郷愁 美川芙美子
「デブ専」なんていう言葉は、まだまだなかった時代。それでも肥満女性に特別な思い入れを抱く男たちがいました。そして、その存在を奇譚クラブ誌上で知り、触発された肥満女性の告白手記。コンプレックスと倒錯した妄想がおりなす、奇怪な世界観が見どころです。
或る青年の告白 あべじの足 新津 勉
現実ともフィクションとも判然としない手記。少年は、夢に登場する「あべじ」という幽霊の足に幼いフェティシズムをかきたてられます。それは、恐怖とエロスが混在する不思議な空想世界です。そしてやがて、近隣の土蔵に幽閉されている若い娘との奇妙な遊戯が始まって・・・。
オムツ幻想曲 ある”レッスン” 原由貴子
「18歳にもなって……」オネショをしたという濡れ衣を着せられた美恵子。なんと、それはすべて家政婦の陰謀だった。そうとも知らず、美恵子は強制的にオムツをさせられるという恥辱に沈む。ところが、オムツは奇妙な陶酔感に美恵子を誘うのだった……。