倒錯のエロスと耽美の世界・・・なのだけど、これが時代の違いというものなのか。現代の私たちが読むと、なんだかほのぼのした感じがして、ちょっと笑えてしまうユーモア小説(?) 無料サンプルなので、気軽にお楽しみください。
告白 女性肥満体の郷愁 美川芙美子
「デブ専」なんていう言葉は、まだまだなかった時代。それでも肥満女性に特別な思い入れを抱く男たちがいました。そして、その存在を奇譚クラブ誌上で知り、触発された肥満女性の告白手記。コンプレックスと倒錯した妄想がおりなす、奇怪な世界観が見どころです。
或る青年の告白 あべじの足 新津 勉
現実ともフィクションとも判然としない手記。少年は、夢に登場する「あべじ」という幽霊の足に幼いフェティシズムをかきたてられます。それは、恐怖とエロスが混在する不思議な空想世界です。そしてやがて、近隣の土蔵に幽閉されている若い娘との奇妙な遊戯が始まって・・・。
オムツ幻想曲 ある”レッスン” 原由貴子
「18歳にもなって……」オネショをしたという濡れ衣を着せられた美恵子。なんと、それはすべて家政婦の陰謀だった。そうとも知らず、美恵子は強制的にオムツをさせられるという恥辱に沈む。ところが、オムツは奇妙な陶酔感に美恵子を誘うのだった・・・・・・。
マニア誕生 坂野上信彦
4年間、シベリアで捕虜生活を送った筆者。ある日、筆者は倉庫番の小男・サモイロフの、「浣腸器が手に入らないか」という不可解な要求に応えます。そして、筆者がサモイロフの家の窓から目撃してしまった驚くべき光景とは? 歴史的資料価値の高い作品です。
完全なる隷屬 坂田信治
マゾヒストを自認する筆者は、少年の日に学校で財布泥棒の嫌疑をかけられます。そこで待っていたのは、父親の容赦ない叱責。乗馬ズボン姿の父親は息子を鞭打つ。それは、鞭で打たれる、ピノキオやアンクルトムの物語に憧れた少年の幻想を超える苛烈なもので・・・・・・。
猥らな虫 辻村 隆
ギョウチュウ……肛門に卵を産み付け、たまらない「かゆみ」をもたらす寄生虫。妻が、この虫に侵されたことで、夫婦生活は一変します。やがて、妻が夫に隠れてしていた秘密の行為を知った夫は・・・・・・。SMテイストのなかに、深い夫婦愛を感じさせる作品。
A感覚の秘密 羽村京子
人間の性感で重要な働きを持つ「A感覚」についての考察。精密な分析はまるで学術論文のよう。ところが、一転して妄想の世界にのめりこんでいくところに、筆者の精神の深さを感じさせます。スパイとして捕らえられた京子は、解剖されることになり・・・・・・。
女相撲同好会 娘相撲物語(その結成まで) 海野美津夫
和子と美代子は、ふたりで相撲の稽古に打ち込んでいます。ふたりきりだから、まわしひとつの姿でいても相撲に夢中。やがてひとり、またひとりと仲間が集まってきて・・・・・・。相撲の魅力にとりつかれた少女たちの心情を克明に綴った作品です。
責めの作家と誤られて 松井香代子
奇譚クラブ誌上で活躍した作家・松井籟子に間違われた筆者は、誘われるまま上品な中年女性の家に。そして軽い気持で手首を縛らせたつもりが、徐々にエスカレートし、女性の弟まで加わって一晩中責められてしまいます。奇妙な体験を綴った読者の手記。
繩の對話 −−サディストの夫とその妻 杉村 健
夫の書棚の裏から、裸で縛られた女性の絵を見つけてしまった妻。「何なの?」と問う妻に、夫は演劇や映画などで描かれたサディズムと、その普遍性をじっくりと語り始めます。SMについての知識がなかった妻は、その説明を聞くうちに・・・・・・。
ある同性愛者の告白 小田雅春
中学時代、筆者に訪れた一学年下の少年への恋。それは初めは清らかな精神的愛でした。しかし、筆者の下宿を機に、関係は発展し、同性愛特有の悦楽の世界を垣間見るようになります。そして突然の絶交宣言。筆者は自殺を決意しますが、その時・・・・・・。
我が少年時代の犯罪 岸本幸雄
美しい金髪を持つ美少女メリー。ある日、メリーが何を思ったか、私の手を太股に押しつけるという事件をきっかけに、ふたりは急速に親密になり、またメリーは私に従順になっていきます。家族が不在の日にメリーの家を訪ねた私は、ある物を用意していました・・・・・・。
捕虜の洗礼 出久信男
昭和20年、表面上は日本軍の制圧下にあった北支で展開された抗日ゲリラ活動。そのなかにいた、美貌の女遊撃隊長に捕えられた筆者が約5ヵ月にわたって体験した奴隷生活。Mである筆者にとって、それは悩ましくも甘美な暮らしだったのです。
腕 三谷祥介
医学研究室から盗み出された人間の「腕」の標本。それは、ある中国富豪の若い夫人と一夜の恋に落ちた日本軍人へ向けられた、奇怪な復讐の産物だったのです。誰が、なんのために?というミステリーに、豊かな筆力で読者を引き込んでいく作品です。
珍案好色立志伝 女湯を覗いて儲けた男たち 多古金茶坊
多少の差はあれど、人間、誰もが持つ「覗き願望」。とはいえ、女湯を覗きたいという願望を率直に実行し、しかもそれを金儲けに利用している人間がいるとは! 覗きにかける執念と、それを活かす珍妙なアイデアをユーモラスな語り口で綴っています。